研究について

研究成果

長期間海岸環境中に暴露された無筋コンクリート構造物の劣化状況調査

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 0142 1972年06月
執筆者 関博、小野寺幸夫、丸山浩
所属 構造部 材料施工研究室
要旨

既設構造物の現地調査、各種試験を実施してコンクリートの劣化の程度を検討した。対象構造物は建設後15~44年を経過した防波護岸、岸壁などの無筋コンクリート体である。現地調査では、構造物の表面観察、強度特性(シュミットハンマー、超音波法)試験を実施したが、数種の構造物よりコアーを採取して単位容積重量、吸水率、平均中性化深さ、圧縮強度、ポアソン比を測定し、さらに、微紛砕したコンクリート試料の化学分析結果から塩分濃度の測定とコンクリートの配合を推定した。
 表面観察では特に劣化の顕著な構造物に関し劣化の分類およびその原因を検討し、また、一例として酸性水域でのコンクリートの化学的腐蝕例を示した。各種の試験結果に基いて、コンクリートの評価基準を設定し無筋コンクリートの劣化の程度を類別化することを試み、これらから、長期間経過した海岸・港湾構造物では建設時の施工方法が劣化の重要な要因であると想定された。

全文 /PDF/no0142.pdf