研究について

研究成果

名古屋港内における波浪観測第2報-港内発生表面風波の観測解析結果-

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 0061 1968年12月
執筆者 合田良実、永井康平
所属 水工部 波浪研究室
要旨

 名古屋港内の容量型波高計によって、1967年4月から1968年3月までに観測された季節風による表面風波のデータの一部(風速10m/s、風向一定、フェッチ<3km、水深~7m)を解析した。
 まず、表面波の振幅、極大振幅、波高、周期の統計分布を計算したところ、振幅の非線型性が確認され、波の発生初期には風速と波形勾配と歪度に比例関係があることを見い出した。スペクトル幅パラメーターの意味と計算法を検討し、スペクトル幅の広いことを知った。平均波高比は、ゼロ・アップ・クロス法の波高を使えば、波の非線型性にかかわらずRayleigh分布に基く理論値に合うことを示した。但し、Hmaxは理論値より大きく、Hmaxの理論比率は実際より過小評価することを指摘した。
 更に風速の上昇に伴うエネルギー・スペクトル密度の増大、平均風速と平均波高の間の変動係数が等しいこと、及びクロス・スペクトル解析から風の変動が平均波高変動に及ぼす影響距離は比較的短いことを示した。
 その他、フェッチ・グラフ、スペクトル、及びTuckerによる簡単な平均波整理法等のいわゆる理論値と実測値を比較した。

全文 /PDF/no0061.pdf