インフラDX研究領域 サイバーフィジカル研究グループ

研究テーマ

Cyber Physical Group

 水中版i-Constructionに関する研究をメインに、水中建設機械(水中バックホウ)を対象とした水中版ICT施工やマシンガイダンス、遠隔操作技術、及びAIによる水中画像補正についての研究開発を行っています。

 1)  水中建設機械遠隔操作支援システム

 水中機械化施工の普及を目的に、透明度の高い沖縄などの海域で使用されている水中バックホウをベースとした遠隔操作支援システムの研究開発を行っています。遠隔操作を実現するための技術について、「機体状況を把握するインタフェース」「マウンド形状を認識する外界計測」「操作の簡素化を図る支援機構」の三項目と定め、それぞれを並行して開発しています。これらの要素技術を組み合わせ、実海域試験を経て実現場への適応を図る予定としています。

  • 「機体状況を把握するインタフェース」
     陸上機械で普及しつつあるマシンガイダンスを水中に適応させ、機体の位置姿勢や設計データの表示など、作業に必要な情報をオペレータに呈示します。
  • 「マウンド形状を認識する外界計測」
     比較的入手性の容易なプロファイルソナーを用い、計測したデータをマシンガイダンスに重畳表示させています。
  • 「操作の簡素化を図る支援機構」
     琉球大学との共同研究を実施し、油圧ブレーカをベースとした起震装置を開発しました。

水中建設機械遠隔操作支援システムの画像1

水中建設機械遠隔操作支援システムの画像2

 2)  AIによる水中外界認識(水中画像補正)

 AI・機械学習の活用による水中光学画像のノイズ除去や色補正に関する研究を開始しています。陰影による「輪郭」や「隙間」の認識、色情報による「材質の違い」など、プロファイルソナーだけでは計測できなかった情報を加えることで詳細な状況把握が可能となり、桟橋下狭歪域での作業や港湾構造物に対する維持補修作業といった様々な水中作業に対して機械力の応用を目指します。

 高度な水中画像補正を可能とする最先端のディープラーニングモデルの開発を行っており、既存法では不可能なほど著しく劣化した水中光学画像の補正を可能としています。

AIによる水中外界認識(水中画像補正)の画像