研究について

研究成果

袋型根固材を用いた着床式洋上風力発電設備の洗掘対策工に関する実験的研究

発行年月 港湾空港技術研究所 報告 62-3-2 2023年10月
執筆者 高橋 武志、鈴木 高二朗、関谷 勇太、青田 徹、小林 航、鈴木 英樹、錦織 和紀郎、松田 節男、久保田 真一、土橋 和敬、下迫 健一郎、田所 篤博、福永 勇介、迫 大介、野村 大輔
所属 沿岸水工研究領域 耐波研究グループ
要旨

 着床式洋上風力発電施設の基礎では,波浪や流れの作用によって洗掘が進行する.洗掘の進行は基礎の安定性の低下や通信ケーブル及びその防護管の変状等を引き起こすため,洗掘対策工を設ける必要がある.洋上風力発電が普及している欧州では石材を敷設する対策工法が発展してきたが,敷設する過程で石材が流出するなどの課題を抱えていた.そのため,国内では,洋上風力発電設備の洗掘対策工への袋型根固材の適用を目指した研究が進んできた.袋型根固材とは,合成繊維を使用した網袋の中に石材を充填したものであり,石材の敷設よりも施工性に優れている.
 本研究の目的は,袋型根固材を用いた着床式洋上風力発電設備の洗掘対策工の設計手法を確立するため,袋型根固材を用いた洗掘対策工が発揮する洗掘抑制性能を多面的に評価することである.本研究では,大きく分けて3つの水理模型実験を実施した.まず,固定床実験によって袋型根固材の耐波浪・耐流れ安定性を検証し,袋型根固材の所要質量の推定方法を提案した.次に,移動床実験によって袋型根固材の敷設範囲・構造を検証し,最適な敷設範囲・構造の推定方法を提案した.最後に,より縮尺が大きい移動床実験によって袋型根固材及びフィルター層の洗掘抑制効果について検証し,フィルター層の諸元や設置範囲の推定方法,袋型根固材の沈下量の推定方法を提案した.以上の提案に基づき,袋型根固材を用いた着床式洋上風力発電設備の洗掘対策工の設計手法を取り纏めた.

キーワード:洋上風力発電設備,モノパイル,洗掘対策工,袋型根固材

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