研究について

研究成果

開端ストレート・テーパー杭の支持力特性に関する大型模型実験

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 1391 2021年12月
執筆者 中村 圭太、元水 佑介、松村 聡、水谷 崇亮、大下 英治、新谷 聡、坂本 易隆、末政 直晃
所属 地盤研究領域 基礎工研究グループ
要旨

 港湾の施設の基礎に用いられる開端杭はこれまで杭径が一定のストレート杭がよく利用されてきたが、その鉛直支持力は先端閉塞現象の発現に大きく依存することが知られている。一方、杭径が先端に向けて徐々に小さくなるテーパー杭は、その形状から先端閉塞が生じにくいが、ストレート杭と比べても遜色ない支持力が得られることが近年の実験結果よりわかってきた。そこで本研究では、このようなストレート杭とテーパー杭の支持力特性の違いについて、大型模型実験を実施して検証した。実験では、杭の貫入過程から載荷試験までの一連の実験をストレート杭およびテーパー杭について行うとともに、杭の荷重–変位関係、杭体に貼り付けたひずみゲージ、土圧計等で計測されたデータについて整理した。また、より直接的に先端閉塞が及ぼす支持力への影響を検証す ることを目的として、杭貫入過程において杭内部の砂を吸引し、強制的に閉塞を解消させる実験を行った。実験の結果、テーパー杭は先端閉塞の影響をほとんど受けないため、ストレート杭で先端閉塞が生じにくい条件下では、テーパー杭が有利になる可能性があることがわかった。

キーワード:大型模型実験、開端杭、先端閉塞現象、テーパー杭、鉛直支持力

全文 TECHNICALNOTE1391