研究について

研究成果

軟弱地盤着底式防波堤の圧密沈下が水平抵抗力に与える影響

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 1387 2021年09月
執筆者 松村 聡、水谷 崇亮、酒井 勝
所属 地盤研究領域 基礎工研究グループ
要旨

 熊本港に設置されている軟弱地盤着底式防波堤(以下、軟着堤という)では、設置後に地盤の圧 密によるものと思われる堤体の沈下が徐々に進んでいる。そのため、防波堤機能を維持するために、 既に設置されている堤体の嵩上げが検討されている。嵩上げを検討する上では、沈下が進行した堤 体直下の地盤特性を把握する必要があるが、堤体直下の地盤調査を行うために堤体を一時的に移動 させることや、堤体の底版を削孔することは難しい。他方、堤体から離れた位置で地盤調査を行う と、堤体直下の地盤特性を反映しているかどうか不明である。
 本研究では、堤体設置後に発生した沈下に伴う地盤特性の変化を把握することを目的として、遠 心模型実験および数値解析を実施し、粘性土地盤上に設置された堤体の沈下特性が沈下後の水平抵 抗特性に与える影響を調べた。遠心模型実験では、1 つの模型地盤に対して2 体の堤体模型を設置 し、遠心載荷下において異なる時点、すなわち圧密度が異なる2 時点において各1 体ずつ水平載荷 試験を実施した。数値解析では、3 次元有限要素解析を実施し、圧密沈下が堤体直下地盤や水平抵 抗特性に与える影響を調べた。また、これらの特性に影響を与え得る各種モデルやパラメータ(嵩 上げ量、杭頭固定度、地盤定数など)の感度分析を行った。

キーワード:軟弱地盤着底式防波堤、圧密沈下、水平抵抗特性、遠心模型実験、数値解析

全文 TECHNICALNOTE1387