研究について

研究成果

セメント固化処理土による壁体を利用した岸壁構造の地震時挙動

発行年月 港湾空港技術研究所 報告 63-1-4 2024年03月
執筆者 高橋 英紀、上野 一彦、河田 雅也、小西 一生、府川 裕史、和田 眞郷、竹内 秀克、徳永 幸彦、森川 嘉之
所属 地盤研究領域 地盤改良研究グループ
要旨

 深層混合処理工法によって地盤をセメント固化して,その改良体を岸壁の本体工として利用する方法が提案されている.比較的経済的に岸壁を構築でき,改良体をそのままクレーンの基礎としても利用できる.特に,老朽化した矢板式岸壁を改修する方法として適している.ただし,コンクリートよりも固化処理土は軽いために,地震時に岸壁は不安定化しやすいと考えられ,地震時挙動を把握しておくことが重要である.本研究では,遠心模型実験や有限要素法解析による数値解析に基 づいて本岸壁構造の地震時挙動を検討した.その結果,岸壁本体工である改良体にはある程度の幅 (本体工の高さ程度以上)を設け,非液状化層に着底させることが望ましいことを示した.また, 設計における外力条件の検討を行い,安定性評価法の妥当性を示した.数値解析では,実験結果を 再現することを試み,概ね精度よく再現できることを確認した.最後に,実験や解析結果に基づいた設計法や施工における注意点についてまとめた.

キーワード:固化処理土,深層混合処理工法,岸壁,遠心模型実験,有限要素法解析

全文 REPORT63-1-4本文(PDF/6,256KB)
REPORT63-1表紙・奥付(PDF/580KB)