研究について

研究成果

海面ビデオ映像に基づく輝度周期の導入と波浪パラメータ推定

発行年月 港湾空港技術研究所 報告 63-1-2 2024年03月
執筆者 田村 仁、細川 真也、藤田 勇、大倉 翔太、本間 翔太、川口 浩二
所属 海洋利用研究領域
要旨

 本稿はCoastal Engineering Journal に出版された論文「Extraction of ocean wave parameters from videoimages」の日本語訳版である.本研究では実務的な運用を目的として,沿岸域に設置された監視カメラ映像から波浪パラメータを推定する手法を提案する.カメラ映像は東京湾の観音崎・東京湾海上交通センターの展望室にカメラ機材をおよそ4カ月間設置してデータ取得を行い,現場波浪観測データ,および波浪モデルデータを用いて解析を行った.まず,得られた海面ビデオ映像の輝度値時系列から周波数領域における輝度スペクトルと輝度周期を定義して導入した.本研究の新規性は輝度周期を用いた波浪統計量推定手法の提案である.これは非常にシンプルな方法であるにも関わらず,輝度周期を用いることで有義波高や有義波周期といった波浪統計量を精度よく推定できることを確認した.波浪に伴い変動する海面輝度の代表周期には海面の局所的な勾配変動が内在されている可能性が高く,実際,カメラ映像から得られる輝度スペクトルと水位変動から得られる勾配ス
ペクトルは類似性の高い形状を示すことが確認できた.

キーワード:輝度周期,波浪パラメータ,勾配スペクトル,監視カメラ

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REPORT63-1表紙・奥付(PDF/580KB)