研究について

研究成果

全国港湾海洋波浪観測年報(NOWPHAS 2020)

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 1398 2022年03月
執筆者 川口浩二、吉田勘一郎、田村 仁
所属 海洋利用研究領域 海象情報研究グループ
要旨

 国土交通省(2000年12月以前は運輸省)港湾局は1970年以来、関係機関との相互協力の下、全国港湾海洋波浪情報網(NOWPHAS:Nationwide Ocean Wave information network for Ports and HArbourS)を構築し、全国沿岸の波浪の観測・集中処理・解析を実施してきた。その中で港湾空港技術研究所は集中処理・解析を担当している。本資料は、1970年から刊行してきた波浪観測年報の2020年版であり、新規観測地点である「能代」を含む全79観測地点の内、下線で示す通年欠測の10地点を除く計69地点を掲載している。なお、*印を付した観測地点はGPS波浪計であり、全18地点である。

日本海沿岸海域:留萌、石狩新港、瀬棚、青森、深浦、能代(新規地点)、秋田、酒田、新潟沖、 直江津、富山、伏木富山、輪島、金沢、福井、敦賀、柴山、柴山(港内)、鳥取、境港、浜田、 藍島、玄界灘、青森西岸沖*、秋田県沖*、山形県沖*

東シナ海沿岸海域:伊王島、熊本、名瀬、那覇

オホーツク海沿岸海域:紋別(南)

太平洋沿岸海域:釧路、十勝、苫小牧、むつ小川原、八戸、久慈、釜石、宮古、石巻、仙台新港、相馬、小名浜、常陸那珂、鹿島、第二海堡、アシカ島、下田、清水、御前崎、伊勢湾、潮岬、神戸、小松島、室津、高知、上川口、苅田、細島、志布志湾、鹿児島、中城湾、平良沖、石垣沖、青森東岸沖*、岩手北部沖*、岩手中部沖*、岩手南部沖*、宮城北部沖*、宮城中部沖*、福島県沖*、静岡御前崎沖*、伊勢湾口沖*、三重尾鷲沖*、和歌山南西沖*、徳島海陽沖*、高知室戸岬沖*、高知西部沖*、宮崎日向沖*

 通年欠測を除くこれらの地点のうち、69地点で周期帯表示によるスペクトルの出現統計解析、66地点で連続観測による波浪観測統計を実施した。2020年に既往最大有義波を更新した地点は、以下の全2地点であり、能代は低気圧、宮崎日向沖は台風2010号によるものであった。ただし、能代は本2020年報からのとりまとめであることに注意が必要である。

 能代 :H1/3= 5.30m、T1/3= 9.5s、 10月 6日 1時00分(波浪観測年報掲載は2020年から)
 宮崎日向沖 :H1/3=11.35m、T1/3=15.0s、 9月 6日18時40分(波浪観測年報掲載は2014年以降) キーワード:全国港湾海洋波浪情報網(ナウファス)、波浪観測、波浪統計、GPS波浪計


全文 TECHNICALNOTE1398(PDF/27,335KB)
2020図表集