研究について

研究成果

船舶の平行舷長さおよび受風面積に関する統計解析

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 1395 2021年12月
執筆者 米山 治男、加島 寛章
所属 海洋利用研究領域 海洋利用研究領域長
要旨

 船舶諸元の中で船舶の平行舷長さと受風面積については、船舶諸元データとして一般的に公表されていない。このため、防舷材の設計において船舶の接岸エネルギーを算定する際や、係船柱の設計において風荷重による係留船舶の牽引力を計算する際に、設計対象船舶に対してそれらの正確な値を求めることが難しい状況にある。そこで、本研究では、船舶の平行舷長さと受風面積についてアンケート調査によりデータ収集して統計解析を実施し、船種ごとにこれらの船舶諸元の回帰式等を算定した。  
 本研究の主な結論は、以下の通りである。
1) 船舶の平行舷長さと受風面積について、船主等へのアンケート調査により得られたデータを統計解析し、船種ごとに満載時およびバラスト時における回帰式と基本統計量を提示した。
2) 船舶の平行舷長さと垂線間長との比は、現行の港湾基準で示されている1/3~1/2よりも少し大きく、概ね2/5~3/5の範囲にあることがわかった。
3) 船舶の受風面積は、一般的に満載時に小さくバラスト時に大きい傾向にあるが、コンテナ船の側面受風面積についてはデッキ上に積載されたコンテナの影響により逆の傾向を示すことを確認した。

キーワード:平行舷長さ、受風面積、統計解析、回帰式、防舷材、係船柱

全文 TECHNICALNOTE1395