研究について

研究成果

港湾地域強震観測年報(2019)

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 1394 2021年12月
執筆者 長坂 陽介、野津 厚
所属 地震防災研究領域 地震動研究グループ
要旨

 1962 年より実施されている港湾地域強震観測により、2019 年には2056 の強震記録が得られた。 強震計の台数としては、2019 年末現在、160 台の強震計が61 港に設置されており、設置状況としては、78 台が地表に、62 台が地中に、20 台が構造物上に設置されている。2019 年の観測に使用された強震計はERS 型強震計、SMAC-MDU 型強震計、Omni 型強震計、Basalt 型強震計、CV-374 型強震計、SAMTAC (SA-355)型強震計、SAMTAC (VSE-355JE)型強震計の7 種類であり、いずれもサーボ型地震計である。
 本資料は2019 年に港湾地域強震観測網で得られた記録について報告するものである。得られた記録は港湾毎に分類され、地震諸元・記録番号・最大加速度等とともに付録の表にまとめられている。 付録の表の地震諸元は気象庁の地震月報(カタログ編)に基づいている。また、強震記録の記録番号は各観測地点から記録が送られてきた順番に付けられており、記録の分類として、頭文字「F」で始まる記録はERS 型強震計で得られた記録、頭文字「U」で始まる記録はSMAC-MDU 型強震計で得られた記録、頭文字「O」で始まる記録はOmni 型強震計で得られた記録、頭文字「B」で始まる記録はBasalt 型強震計で得られた記録、頭文字「C」で始まる記録はCV-374 型強震計で得られた記録、頭文字「A」で始まる記録はSAMTAC (SA-355)型強震計で得られた記録、頭文字「V」で始まる記録はSAMTAC (VSE-355JE)型強震計で得られた記録をそれぞれ示している。付録の表にまとめているすべての記録のデジタルデータを付録にCSV 形式で収録している。最大加速度が20Gal を越える記録については加速度波形を画像ファイルの形で付録に収録している。また、最大加速度が50Gal を越える比較的大きな記録については、加速度波形に加え、速度波形、変位波形、フーリエスペクトル、応答スペクトルも画像ファイルの形で付録に収録している。
  2019 年の観測は次に示す諸機関の協力の下に実施された。
 
 国土交通省港湾局 国土交通省地方整備局 国土交通省北海道開発局 内閣府沖縄総合事務局  東京都港湾局 静岡県港湾局 大阪市港湾局 神戸市港湾局 神戸市都市局 宮崎県港湾課  

 強震観測は、各観測地点での強震観測担当者の努力に負うところが非常に大きい。担当者各位に 敬意と謝意を表すとともに、各観測地点で実際に観測に携わった方々の氏名を巻末に掲載する。

*「強震データ(Appendix to Annual Report)」は港空研で保管

キーワード:地震、港湾地域強震観測、加速度記録、フーリエスペクトル

全文 TECHNICALNOTE1394