研究について

研究成果

テンプレートマッチングを応用した堤体位置検出解析手法の開発

発行年月 港湾空港技術研究所 報告 60-2-1 2021年09月
執筆者 松村聡、水谷崇亮、酒井勝、崎本昌稔、松村秀倖、竹内えり
所属 地盤研究領域 基礎工研究グループ
要旨

 近年、施工管理や維持管理などを目的として、レーザーや音波を用いた構造物などの形状計測や位置計測が盛んに行われている。計測技術が高度化し、より精細な点群データが得られるようになっている一方で、膨大な点群データから必要とする特徴量を効率良く把握するデータ処理方法が求められている。
  本研究では、防波堤などの構造物を計測して得られた点群データから、例えば各堤体の天端高や隣接堤体の目地ずれ量といった特徴量を把握するための堤体位置検出解析手法を新たに提案した。点群データから堤体位置を検出する解析手法として、ここでは主に画像処理分野で利用されているテンプレートマッチングを応用した。提案する解析手法によって妥当な堤体位置が検出されることを確認した上で、本解析手法を既存の測量データ処理ソフトウェアへ実装した。実装する上では、実務利用における利便性に配慮して、堤体番号や計測時点の異なる複数の堤体を解析可能で、且つ解析時間を大幅に短縮する解析条件の設定が可能なものとした。
  本研究では、熊本港の防波堤を対象としてレーザーとマルチビームによる現地計測を行い、得られた点群データを使って堤体位置検出解析を行った。本解析結果から算出した天端高と、当現場で定期的に実施されている水準測量や点群データから直接読み取った天端高を比較し、計測や解析の精度や適用性を考察した。

キーワード:テンプレートマッチング、点群データ、位置検出

全文 REPORT60-2-1(PDF/3,566KB)