研究について

研究成果

波力発電浮消波堤による波浪低減効果に関する基礎的検討

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 1385 2021年06月
執筆者 米山 治男・加島 寛章
所属 海洋研究領域 海洋利用研究グループ
要旨

 本研究では、振動水柱型波力発電装置を搭載した浮消波堤として「波力発電浮消波堤」を提案し、波力発電装置の波エネルギー吸収による浮消波堤の背後海域における波浪低減効果について、3次元ポテンシャル接続法に基づく浮体動揺計算により検証した。
 本研究の主な結論は、以下の通りである。
1) 波力発電浮消波堤の背後海域の一定範囲における平均波高から、全体的傾向として、入射波の波周期が短い場合、剛な係留方式の場合、また波力発電装置の波エネルギー吸収率が高い場合に浮消波堤の波浪低減効果が大きいことを確認した。
2) 波力発電装置による波エネルギー吸収率が75%よりもかなり高くないと、浮消波堤の背後海域において十分な波浪低減が見込めないことがわかった。
3) 波力発電浮消波堤の形状や係留方式の構成によって、その動揺特性やその周囲の回折波が変化するが、対象とした浮消波堤の形状の範囲では、幅、喫水および長さが背後海域の平均波高に与える影響はあまり大きくないことが判明した。

キーワード:浮消波堤、波力発電、波エネルギー、波浪低減、動揺計算

全文 TECHNICALNOTE1385(PDF/2,599KB)