港空研について

東北地方の港湾における被災状況について(現地調査速報)

平成23年3月23日
独立行政法人 港湾空港技術研究所
国土交通省 国土技術政策総合研究所

東北地方の港湾における被災状況について(現地調査速報)
(平成23年東北地方太平洋沖地震)
<p>平成23年3月11日14:46頃に発生した平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震について、独立行政法人港湾空港技術研究所(港空研)及び国土交通省国土技術政策総合研究所(国総研)は、国土交通省からの要請を踏まえ、東北地方の各港湾等に調査団を派遣し、港湾地域における津波・地震による被災状況について調査を行いました。

調査速報の概要

  • マグニチュード9.0の巨大地震により、明治三陸地震・津波(マグニチュード8.5)を上回る巨大な津波が発生し、多くの港湾で津波による浸水や家屋・車両・船舶・木材などの漂流物が衝突、散乱すること等により甚大な被害が発生している。
  • 釜石港および大船渡港の津波防波堤や八戸港防波堤では防波堤本体(ケーソン)が水没するとともに、港口部が洗掘され大きな被害を受けた。港湾内の上屋や倉庫などの保管施設についても、津波による浸水、船舶や貨物等の漂流物の衝突や堆積により大きな被害が生じている。
  • 東北沿岸の沖合10~20kmに設置されたGPS波浪計において、沿岸への津波到達10分程度前に、5.6m~6.6m(速報値)の津波を観測した。国土交通省釜石港湾事務所の津波の痕跡から計測される浸水高(8.1m)は、このGPS波浪計の観測データから推測される沿岸部での津波高(約13m)を下回っていた。今後、数値解析等による詳細な検証が必要であるが、津波防波堤により一定の津波防護効果が有ったものと推察される。
  • 今回調査を行った港湾における岸壁については、地震動による岸壁本体の大規模な損傷はないものの、エプロン舗装面の沈下や陥没等が広範囲で発生している。
  • 仙台空港においては、滑走路の一部に軽微なクラックが発生しているものの滑走路は概ね健全であり、大型輸送機による救援物資輸送が開始された。耐震性向上のため平成20年度から実施されていた液状化対策工の効果が確認された。

なお、詳細な調査結果については、後日、両研究所のホームページに掲載する予定です。

【お問い合わせ先】
独立行政法人港湾空港技術研究所
特別研究官 戸田 TEL:046-844-5087
企画課 坂井、黒澤 TEL:046-844-5040
アジア・太平洋沿岸防災研究センター 高橋、富田 TEL:046-844-5052

国土交通省 国土技術政策総合研究所
管理調整部 池田、箕作 TEL:046-844-5018