仙台塩釜港(仙台港区)

(解説)仙台塩釜港(仙台港区)は東日本大震災の地震動を受けている.強震記録は強震観測点「仙台-G」(図1)で得られているが,過去に実施された臨時の地震観測の結果等から,仙台-Gと仙台塩釜港(仙台港区)の各埠頭ではサイト増幅特性が大幅に異なっていることがわかっていたため,東日本大震災後に高砂埠頭(図1)において余震観測が実施され,その結果に基づき,東日本大震災による高砂埠頭での地震動が推定されている.ここではこの地震動と仙台塩釜港(仙台港区)におけるレベル1地震動との比較を行った.仙台塩釜港(仙台港区)におけるレベル1地震動は仙台港区の各埠頭(雷神埠頭,高松埠頭,高砂埠頭など,図1)に適用可能な地震動として設定されており,同じ土俵での比較となっている.結果(図2)を見ると明らかに東日本大震災による地震動はレベル1地震動を上回っていたと考えられる.したがってこの地震の際に存在していた施設で被害を受けなかった施設については,その後のさらなる高経年化の影響を除けば,レベル1地震動に対して十分な耐震性能を有していると判断できる.

 


図1 強震観測点「仙台-G」と仙台塩釜港(仙台港区)の各埠頭の位置関係


図2 仙台塩釜港(仙台港区)におけるレベル1地震動と東日本大震災の地震動の比較.
フーリエスペクトル(バンド幅0.05HzのParzenウインドウを適用).