2011年東北地方太平洋沖地震による石巻港雲雀野埠頭における地震動の事後推定(第2版)

雲雀野埠頭の背後地盤における湿潤密度のデータが新しく得られたので,工学的基盤における推定地震動の改訂を行った.地表における地震動の推定までは第1版と同様である.今回用いた地盤モデルは表1に示すとおりである.線形の重複反射理論により,工学的基盤(表1におけるS波速度318m/sの地層)での2Eを求めた.結果を図1に示す.推定された2E波の数値データをテキストファイルに示す.ここでの推定地震動の対象周波数は0.2Hz以上である.

表1 雲雀野埠頭の新しい地盤モデル(が新しい数字)
層厚(m) S波速度(m/s) 密度(g/cm3
16.10 207.0 2.000
3.25 174.0 2.000
15.25 158.0 1.597
1.65 198.0 2.000
2.75 155.0 1.762
1.00 145.0 2.000
3.70 175.0 1.733
1.90 187.0 2.000
3.65 205.0 1.742
1.75 195.0 2.000
1.00 226.0 1.500
4.95 275.0 2.000
1.00 249.0 1.500
1.55 222.0 2.000
0.95 219.0 1.500
1.30 259.0 1.500
2.10 220.0 2.000
1.80 297.0 1.500
0.80 318.0 2.000
6.35 285.0 2.000
318.0 2.000
図-1

図1 推定された雲雀野埠頭の工学的基盤における2E波

ここに推定された地震動はあくまでも雲雀野埠頭岸壁(-13m)に対応したものである.第1版の3.で紹介した微動観測結果からもわかるように,ここで推定された地震動はゾーン1(第1版の図10)の施設に対しては適用しづらいと考えられる.また,ここで得られた地震動はS波速度が318m/s程度の地層における2E波であるため,解析に用いる場合,S波速度がこれと大きく異ならない地層における2E波として用いる必要がある.