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港湾構造物の耐震設計−国際ガイドラインセミナー in LONDON

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港湾構造物の耐震設計の国際ガイドラインが完成し、国際航路協会(PIANC)報告書「港湾構造物の耐震設計ガイドライン」として発刊されています。本書では、既存の設計法を超える試みとして、港湾構造物の地震応答特性と耐震性能に基づいた新たな設計法の枠組みを説明しています。

平成13年12月に日本で開催された国際セミナーに続き、今回、英国ロンドンの土木学会を会場として平成14年10月30日にセミナーが開催され、ヨーロッパ各地の行政・大学・企業関係者97名が聴講し、熱心な討議がなされました。本ガイドラインの著者が講師としてセミナーに参加しており、港湾空港技術研究所から講師として、菅野高弘構造振動研究室長・一井康二地盤・構造部主任研究官が招かれ、矢板式岸壁の耐震性能設計および重力式岸壁の耐震性能設計について、国際ガイドラインの説明を最新の知見を交えて講演しました。

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国際航路協会(PIANC:1885年に設立された国際団体で、政府、地方自治体、団体、および個人会員より構成)は、1995年の阪神大震災をはじめとする世界各地の地震被害を契機に11カ国の国際メンバーからなるワーキンググループ{主査:井合進 独立行政法人港湾空港技術研究所(現 京都大学防災研究所)}を設置し、この分野の英知を結集して4年間の検討を行ってきました。本書は、その成果を国際ガイドラインとしてとりまとめたもので、世界の港湾の地震防災に関する国際的なフレームでの設計技術体系として国際的に重要な役割を果たしていくものと期待されます。また、わが国の港湾構造物の耐震設計関連の技術も多分に盛りこまれた内容となっており、今後、わが国の技術者が国際建設プロジェクトなどで耐震設計を行う場合、その活用が期待されます。

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