基礎工研究グループ 基礎工研究グループ

土丹層における杭の支持力に関する模型実験

Foundations Group

土丹層は第三紀泥岩層に分類され、「硬質な粘土(泥岩)」であると考えられます。このような「硬質な粘土」で杭を支える場合の支持力の考え方は、これまで十分に検討されておりませんでした。そこで、基礎工研究チームでは土丹層を支持層とする杭の支持力に関する模型実験を実施しました。実験の様子を以下の写真に示します。模型実験では、粘土にセメントを添加して改良したもの(以下、硬質粘性土)を模型地盤として使用しました(セメント改良した粘土は、土丹などと同じく「硬質な粘土」の性質を持っていると考えられます)。

静的に貫入する実験の画像

静的に貫入する実験

打撃により貫入する実験の画像

打撃により貫入する実験

このような模型実験とあわせて、土丹層を模擬した硬質粘性土や実際に現地で採取した土丹について一面せん断試験などの土質試験を実施しました。これらの実験結果から、硬質粘性土でも杭の先端閉塞効果が発現すること、また、セットアップ(時間経過による抵抗力増加)が発生することが確認されました。

今後はこれらの実験結果をとりまとめ、土丹層における杭の支持力を評価する方法についてさらに詳しく検討していきます。

〈参考文献〉

水谷崇亮・菊池喜昭・杉本貴之・小濱英司(2011):土丹層に支持された鋼管杭の軸方向抵抗力の検討、港湾空港技術研究所報告、第50巻第4号

http://www.pari.go.jp/cgi-bin/search-ja/detail.cgi?id=2011121314254