海洋環境制御システム研究領域 海洋環境情報研究グループ

海洋観測(伊勢湾口)

Marine Environmental Information Group

 伊勢湾口におけるフェリー海洋観測:データカタログ

カタログ

ご利用にあたっての注意事項

  • カタログのファイル形式はMP4です。該当期間を右クリックすればダウンロードできます。
  • ダウンロードしたファイルは自由に使用していただいて問題ありませんが、他者への配布はお控え下さい。また、論文や学会発表等による公表をする場合には担当者へご連絡ください。
  • 生データをご入り用の方は、担当者へご連絡ください。データのご利用目的等を教えていただいた上で、担当者によって提供の可否を判断させていただきます。

概要

伊勢湾フェリー、伊勢丸

伊勢湾フェリーは、三重県にある鳥羽港と愛知県にある伊良湖港の約20kmを約55分で運行する定期航路です。伊勢湾の湾口(右図赤線)を往復しています。

港湾空港技術研究所では、伊勢湾フェリーの伊勢丸に観測機器を設置させていただき、湾口における連続観測を実施しています。

伊勢湾フェリーは、通常、観測機器を設置している伊勢丸の他、鳥羽丸と知多丸の計3隻のうち、2隻により1日およそ4往復のダイヤによって運行しています。

そのため、伊勢丸の計画的な運休やドック等の場合、観測ができない期間があります。また、荒天時においては欠航することがあります。

伊勢湾フェリー,伊勢丸の画像

流動観測

  • 流動観測においては、ADCP(Acoustic Doppler Current Profiler)を用いています
  • 機種は、eledyne RD Instruments社製、WH-ADCPマリナー(300kHz)です。
  • ADCPが設置されている伊勢丸の吃水は約3.0 mです。
  • 計測はADCPから鉛直方向に7.1 m下の場所から層厚4 mの領域で行われています
  • およそ年1回の定期点検を実施しています。

水質観測

  • 水質は、船底に設けられた取水口から取水した海水を船内の水質測定システムに導水して測定しています。
  • 伊勢丸の吃水が3.0 mであるため、これが水質を測定している層となります
  • 測定している水質は、水温と塩分( (Excell Thermosalinograph,FSI社製)です
  • 水温と塩分は、取水口から数十mの管路を経た場所で測定しています。
  • 測定結果は、1秒間隔で記録しています。
  • およそ年1回の定期点検を実施し、センサー部の清掃を行っています。

描画方法

水平流速

  • 最も上層の水平流速を示しています。
  • 「最も上層」とは、水表面からおよそ7.2 mの場所から4 mの層となります
  • 水平流速は、「VM-DAS」ソフトウェアによって30秒平均で出力されたSTAファイルからデータを抽出し、ボトムトラック機能で計測された船速を差し引いたものを表示しています。ただし、抽出された水平流速データのうち、ピングコリレーションが110 count以下のものについては棄却しています。棄却した測定場所は×印で表示しています。
  • 描画領域の縦横比は、距離に基づいています。

水質

  • 塩分、水温濃度は一分間隔で測定した結果を示しています。測定結果の補正は行っていません
  • 取水した海水は、水温、塩分濃度の測定場所までにある程度の時間を要しています
  • 図中の「Departure time」は、水質測定システムの測定開始時刻です。実際のフェリーの出航時刻とは異なります

謝辞

  • 本観測は、伊勢丸に港空研の施設を設置させていただくことによって実現しています。伊勢湾フェリー株式会社の皆さまには、多大なるご協力をいただいています
  • 観測結果の描画システムは大阪市立大学と横浜国立大学の実習生に構築していただきました
  • 鳥羽の潮位データについては、気象庁のデータを利用しています
  • ここに、関係者のみなさまへ感謝の意を表します

参考文献

  • 鈴木高二朗、中村由行、田中暘二:フェリーによる伊勢湾口の水質と流況の連続観測について、港湾空港技術研究所資料、 No.1199、 12p、 2009。