沿岸土砂管理研究グループ

仙台湾蒲生干潟前面海浜の中期地形変動に関する複素主成分解析

Coastal and Estuarine Sediment Dynamics Group

仙台湾北部の蒲生干潟前面海浜(仙台港南海浜)における中期地形変動特性を主成分解析および複素主成分解析によって検討した。約12年間の深浅測量データに対して両解析手法を適用し、種々の要因による地形変動パターンを分離することを試みた。その結果、蒲生干潟前面海浜における土砂の移動経路や変動周期等の諸特性を抽出することに成功するとともに、外力データとの対応を検討することによって、地形変動特性とそのメカニズムについて考察した。対象海域全体の地形変化に対しては、河口テラスの発達・衰退と北向き沿岸漂砂による防波堤基部の堆積域の形成およびその拡大というプロセスが卓越しており、次いで河川から沖合海域へ流出した土砂の岸向き輸送過程、岸沖漂砂による浅海域での土砂移動が寄与していることを明らかにした。

仙台湾蒲生干潟前面海浜の中期地形変動に関する複素主成分解析の画像1

水深変化のトレンド(コンター間隔:0.04m/y).各測点における海底面の時間変動勾配を最小二乗法により求めたものであり、トレンドが正のときは堆積が、負のときは侵食が進展していることを示している。

仙台湾蒲生干潟前面海浜の中期地形変動に関する複素主成分解析の画像2