東京湾の干潟の経済価値は12~18億円/ha 人の干潟の利用がCO2削減や生物多様性に貢献

令和2年7月28日

 

 国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所 港湾空港技術研究所沿岸環境研究グループの桑江朝比呂グループ長、国土技術政策総合研究所 沿岸海洋・防災研究部の岡田知也室長を中心とする研究チームは、干潟の様々な機能の経済価値を試算し、東京湾の干潟の経済価値は1ヘクタール当たり12~18億円と、これまで環境分野で考えられていた価値より5倍にもなることを示しました。

 干潟には食料を生産する機能や水質を奇麗にする機能だけでなく、潮干狩りや海水浴、釣りなどのレジャーの場としての機能や日常の散策などの憩いの場としての機能、自然環境を学習する場としての機能があります。さらに、炭素を貯留して地球温暖化を緩和する機能や多様な生物が生息する機能など、近年喫緊の課題となっている気候変動や生物多様性にも貢献します。環境分野においても従来までは、このような様々な機能の価値のすべてを見積もることは出来ていませんでした。

 本研究では、東京湾の4つの干潟に対して、これらの沿岸域の多様な機能の経済価値をそれぞれ試算しました。干潟の食料を生産する機能の経済価値は、平均で0.6億円/haにすぎませんが、多様な機能の価値を統合すると平均で15.3億円/haに及び、限定された機能のみの価値より5倍程度高い結果となりました。レジャーや学習の場、憩いの場など、人の利用の経済価値が高い割合を占めていました。また、水質浄化や種の保全も高い経済価値でした。 

本研究により、干潟の複合的な価値を考えることが重要であることが明らかとなりました。多くの人が干潟を利用すれば、干潟の価値は上がり、干潟を大切にしようとする人々の意識が高まります。このことは、水質改善や温暖化緩和、生物多様性に貢献することに繋がります。

なお、国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所 港湾空港技術研究所 沿岸環境研究グループの桑江朝比呂グループ長、国土技術政策総合研究所 沿岸海洋・防災研究部の岡田知也室長、復建調査設計株式会社の三戸勇吾課長らの研究チームによる本研究成果は、2020年4月29日に生物研究社から出版された書籍に掲載されています。

 

 

 

添付資料(背景、成果の内容、成果の意義、書籍名)PDF/569KB

 

【問い合わせ先】

国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所

沿岸環境研究領域 沿岸環境研究グループ長 桑江 TEL:046-844-5046

 

 

 

ページの先頭へ戻る