世界で初めて推計しました 全球の浅海域による大気中二酸化炭素の吸収速度 気候変動対策としての浅海域やブルーカーボン生態系の保全や再生に期待

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平成30年8月31日

国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所 港湾空港技術研究所 沿岸環境研究グループの桑江朝比呂グループ長を中心とする研究グループは、全球の浅海域1による大気中二酸化炭素の吸収速度を世界で初めて推計し、10.7(−63.0〜79.8)億トンC/年と見積もりました。あわせて、浅海域海底への炭素貯留速度も1.4(0.2〜8.4)億トンC/年と推計されました。

本研究成果は、2018年8月31日にSpringer Nature(シュプリンガー・ネイチャー)社から出版される書籍の電子版に掲載されます。気候変動の緩和策として、大気中CO2濃度の上昇を抑制することが喫緊の課題となっている現在、この研究成果は浅海域やブルーカーボン2生態系が、水産や水質浄化のみならず、気候変動対策にも有効であることを示しています。

  • 浅海域:外洋や陸棚より浅く、太陽光が海底まで届く沿岸(内湾、河口、潮下帯、潮間帯など)の海域。藻場、干潟、サンゴ礁、マングローブ、塩生湿地などを含む。
  • ブルーカーボン:陸上の森林などに蓄積される炭素(グリーンカーボン)の対語で、海洋生態系に蓄積される炭素のこと。国連環境計画(UNEP)が2009年に新たに命名。特に、浅海域のうち、大型の植生を有する場(海草藻場、マングローブ、塩生湿地)は「ブルーカーボン生態系」とも呼ばれる。

添付資料 (背景、成果の内容、成果の意義、書籍名)

【お問い合わせ先】
国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所 港湾空港技術研究所沿岸環境研究領域
沿岸環境研究グループ グループ長 桑江 朝比呂
TEL: 046-844-5046 FAX: 046-844-1274
Email: kuwae@p.mpat.go.jp
URL: https://www.pari.go.jp/unit/ekanky/member/kuwae/
【報道対応】
国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所 港湾空港技術研究所
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