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港湾・臨海部都市機能の耐震性向上に関するシンポジウム
−土構造物および抗土圧構造物の地盤挙動および安定性−

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理事長による挨拶

平成15年12月3日〜4日に,独立行政法人港湾空港技術研究所の主催で,「港湾・臨海部都市機能の耐震性向上に関するシンポジウム −土構造物および抗土圧構造物の地盤挙動および安定性−」が開催されました. これは,平成13年11月13日・12月14日の二回に分けて北海道十勝港第四埠頭埋立地において実施された「港湾・臨海部都市機能の耐震性向上に関する実物大実験」 に関する最終成果報告会として行われたもので,二日間で約70名の技術者・研究者が参加し,活発な議論が行われました. またこのシンポジウムは,地盤工学会抗土圧構造物における地盤挙動と安定性に関する研究委員会との共催で行われ,地震時における抗土圧構造物の挙動についての発表も行われました.
十勝港における「港湾・臨海部都市機能の耐震性向上に関する実物大実験」は,港湾空港技術研究所が中心となって行われた大規模現場実験で, 日本及び米国の大学、国の研究機関、独立行政法人、学会、公益法人等の13の機関との共同実験として平成13年11月13日(火)・12月14日(金)に実施されました. この実験では,実物規模での鋼矢板式岸壁、基礎鋼管杭、地下埋設管、液状化対策としての改良地盤,側方流動等の挙動や, 液状化発生過程および発生前後の地盤挙動・特性に関する原位置計測などが行われ,実際の現場における液状化発生時の貴重なデータが数多く取られました. これらの結果については,平成14年6月神奈川県三浦市,平成15年2月米国サンディエゴで行ったワークショップでの議論等によって吟味されてきましたが, 今回のシンポジウムにおいて最終報告がされることとなりました. また,シンポジウム参加者には,実験時の映像等の全体概要や論文・資料等をとりまとめたDVD-ROM、CD-ROMが配布されました.
海上・港湾・航空技術研究所では土木構造物の耐震性向上を主要研究テーマのひとつとしており、国内外の機関に参加を呼びかけてこの共同実験のコーディネイトをしました. このプロジェクトをきっかけとして他機関との連携をさらに深め、構造物耐震技術の発展とその適切な整備の実現を目指していきたいと思います.

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発表の様子

一日目(12月3日):
午前9:30,菅野構造振動研究室長の開会の挨拶により,二日間にわたるシンポジウムの幕が上げられました.挨拶に引き続き,地盤工学会抗土圧構造物における地盤挙動と安定性に関する研究委員会の委員会報告が行われました.また午後より,港湾空港技術研究所小和田理事長の挨拶が行われ,十勝港実物大実験の成果報告がスタートしました.各研究機関により研究成果の報告がなされ,発表後には,活発な議論が展開されました.

二日目(12月4日):
朝9:00よりシンポジウムが再開されました.最初に十勝発破実験の発表が二件行われ,その後に抗土圧構造物委員会関連の発表が行われました. 熱心な討議と共に,最後に菅野構造振動研究室長の閉会挨拶により二日間にわたって行われたシンポジウムが終了しました. また午後には,関東地方整備局調査監督船「たかしま」による東京港見学会が行われ,青海,竹芝,大井などの各埠頭を周り,羽田空港,新海面処分場等を海より見学しました.

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会場内の様子

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記念撮影

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関東地方整備局調査監督船「たかしま」による東京湾見学

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配布されたDVD