所長からのメッセージ

世界に誇れる港湾・空港技術をめざして

栗山所長(理事)

所長(理事) 栗山 善昭

 港湾空港技術研究所は、2016年4月に、海上技術安全研究所、電子航法研究所との統合によって発足した国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所の港湾空港技術研究所において、港湾及び空港の整備等に関する調査、研究及び技術の開発等を担う研究所として再スタートしました。前身である運輸省港湾技術研究所の1962年の誕生以来、我々は、鹿島港開発や関西国際空港建設などの数々の港湾・空港プロジェクトを技術的に支援し、世界的にも評価される研究成果をあげてまいりましたが、今後は、他の二つの研究所を含む異なる分野の研究者の連携、融合をさらに拡大、深化させ、研究開発成果の最大化を図ってまいります。
 さて、本年次報告は第一期中有長期計画(2016年度~2022年度)の2年度目である2017年度の実績をとりまとめたものです。第一期中長期計画においては、「沿岸域における災害の軽減と復旧」、「産業と国民生活を支えるストックの形成」、「海洋権益の保全と海洋の利活用」、「海域環境の形成と活用」の4つの研究開発課題に重点的に取り組むこととしております。
 2017年度の具体的な取り組みとしては、「沿岸域における災害の軽減と復旧」では、石油コンビナートの防災生向上に関する診断・対策技術の開発や、津波による海上火災数値シミュレーションモデルの開発では漂流物の挙動に関して実験との比較を行いました。「産業と国民生活を支えるストックの形成」では、インフラの点検診断システムに関して、港湾構造物のヘルスモニタリングの導入を検討し、「海洋権益の保全と海洋の利活用」では、深海用及び浅海用の音響ビデオカメラの実海域での実証試験を実施しました。さらに、「海域環境の形成と活用」では、多様な沿岸域におけるブルーカーボン(緩和効果)の定量化と、生態系の影響を考慮した波浪減衰予測モデル(適応効果)の両方を可能とする新たな沿岸生態系モデルの構築を行いました。
 上記研究の遂行に当たっては、当研究所の二大モットーである、「研究水準が世界最高レベルであること」と「研究成果が実際のプロジェクトで役立つこと」を追い求めつつ、国が進めるインフラの海外展開の貢献や海外諸国への技術支援など、戦略的な国際活動についても、推進することができたと考えております。
 また、2017年4月1日には、「港湾空港生産性向上技術センター」を新たに設立し、港湾及び空港に関する技術者・労働者の減少、老朽化インフラの増大、被災後の迅速な機能復旧等に所内横断的に対応するための組織として、港湾及び空港の生産性向上を技術面で支援する活動を始めました。さらに2017年10月1日に「海洋インフラ技術推進センター」を改称し、「海洋インフラ洋上風力技術センター」として我が国にとって最重要施策の一つである「海洋の開発・利用推進」を技術面で支えるとともに、近年、我が国においても実施段落を迎えている洋上風力発電の更なる導入推進を技術面で支える活動を強化しました。
 熊本地震発生から2年がたちましたが、引き続き、地震や高波といった自然災害が発生しています。今後も、当研究所が我が国独自の厳しい自然条件の下、現場に密着した実践的な研究開発をおこなっている研究機関であるという独自性に鑑み、当研究所が持つ知見、人材等を活用し、防災に係る啓蒙、地震、津波等災害発生時の応急対応及び復旧に対する支援等も実施したいと考えております。
 引き続き、皆様のご理解とご支援をお願い申し上げます。

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