港空研について 研究施設のご紹介

沿岸化学物質メソコスム実験施設

近年、化学物質が生態系に与える影響について国内外の関心が高まっています。陸域から発生した化学物質は、最終的に海に流れ込むため、沿岸域は化学物質の影響を強く受ける場所です。このため、沿岸域における化学物質に関する研究や技術開発への期待は大きくなっています。
現在のところ、世界における沿岸域の化学物質に関する研究は、現場のモニタリングやフラスコなどを用いた小規模な室内実験にとどまっており、バクテリアなどの微生物から魚介類までを含んだ生態系全体を対象とした大規模な実験は行われていません。しかしながら、化学物質が生物によって濃縮される可能性があることなどを考えますと、生態系全体を対象とした研究が不可欠となります。
こうした背景から、沿岸域の生態系全体を対象とした実験ができるような大型の類似海洋環境実験水槽(メソコスム)を整備しました。温度や光などの環境条件がコントロールされたメソコスムに自然と同様の生物を生息させ、沿岸域の生態系を再現したうえで生態系内での化学物質のふるまいについて研究します。
※「メソコスム」とは、もともと「中規模の空間」という意味です。生態系の実験においては、自然に近い環境を人工的に作り出した場のことを指します。

施設全景

生物実験室

生物実験室

ハオコゼの画像

ハオコゼ

ウニの仲間の画像

ウニの仲間

なまこの仲間の画像

なまこの仲間

メリベの仲間の画像

メリベの仲間

ワレカラの仲間の画像

ワレカラの仲間 

メソコスム実験水槽

浅場の生態系を創造したメソコスム実験を行っています。アマモ場のような潮下帯を想定した実験やヨシ原を想定した実験を行うことも可能です。
メソコスム実験水槽を用いたアマモ研究成果のとりまとめ

主に施設を利用している研究グループ