港空研について 研究施設のご紹介

長期暴露試験施設

港湾・空港構造物は50年から100年と非常に長い期間の安全性を確保しなければなりません。使用される材料の長期耐久性の評価は、構造物の安全性につながります。長期暴露試験施設は、実海水を使用した暴露試験施設のため、海洋環境下における各種材料の劣化や長期耐久性を評価できる実験施設です。また、多数の供試体の劣化の状態を経時的に調査することで、各種材料の性能の変化を把握することも可能です。

本試験施設は、「海水循環水槽」、「海水シャワー暴露試験場」および「海上大気暴露試験場」の3つの暴露場で構成され、環境区分として「海水中」、「干満帯」、「飛沫帯」および「海上大気中」の4環境を模擬した陸上の屋外暴露試験施設です。

現在、コンクリートや鉄筋コンクリート、鋼材や各種防食材料および木質材料など様々な建設材料を多数暴露し、劣化の進展や耐久性の調査を実施しています。

長期暴露試験施設の画像

長期暴露試験施設の概要図

海水循環水槽

海の干満作用を模擬した水槽。1日に2回、以下に示す干満サイクルを実施。
干満差は最大で1.5mであり、水槽内に供給されます。海水は久里浜港の自然海水です。

海水循環水槽

海水循環水槽

海水シャワー暴露試験場

海洋環境の飛沫帯を模した暴露試験場。1日2回、約4時間自然海水を散布。
湿潤4時間-乾燥8時間の乾湿繰返し環境で,鋼材腐食あるいはコンクリート劣化の激しい環境です。
(この環境での鋼の腐食速度は、平均0.5mm/year程度です。)

海水シャワー暴露試験場(シャワー散布時)の画像

海水シャワー暴露試験場(シャワー散布時)

海水シャワー暴露試験場(シャワー散布時)の画像2

海水シャワー暴露試験場(シャワー散布時)の画像3

大気海水シャワー暴露試験場

海上大気中を模した暴露試験場。

大気海水シャワー暴露試験場

海上大気暴露試験場

主に施設を利用している研究グループ