構造研究グループ 構造研究グループ

研究テーマ

Structural Mechanics Group

現在の研究テーマ

1. 海洋コンクリート構造物の補修・補強技術の体系化

・衝撃載荷試験の様子 【動画】
・中詰固化工法によるケーソンの補強設計・施工の手引き(案) (港湾空港技術研究所資料「中詰固化によるケーソン部材の補強効果に関する解析的検討」の付録) 本手引き(案)は,平成30年7月から令和2年3月までに日本埋立浚渫協会と港空研LCM支援センターが実施した共同研究「既設防波堤ケーソンの補強技術の開発」の成果をとりまとめたものであり,防波堤をはじめとする既存のケーソン式構造物の長寿命化に寄与することが期待されます.

2. 港湾構造物のヘルスモニタリングの導入に関する検討

ライフサイクルマネジメントに基づく港湾構造物の維持管理においては,まず点検診断あるいはモニタリングを実施することで,構造物の劣化や変状に関するデータを取得し,これに基づいて構造物の残存性能を定量的に評価・予測した上で,適切な対策を講じることが重要です。しかしながら,港湾構造物の点検診断は,構造物外観の目視調査に頼っており,定量的で信頼性の高いデータが取得されているとは言い難いのが現状です。目視調査により得られるデータは定性的で,調査実施者の主観によって結果が大きく異なってしまいます。 一方,非破壊試験技術は電気・機械分野のみならず,土木分野においても広く普及し始めており,コンクリート構造物や鋼構造物の劣化・変状の検出手法としての検討が進められています。しかし現状では,港湾構造物の点検診断に非破壊試験技術はあまり活用されておらず,またより高度な維持管理のために不可欠な健全性の常時モニタリングもほとんど行われておりません。 本研究では港湾構造物の点検診断およびモニタリングに非破壊試験技術を導入することで,定量的で信頼性の高いデータを取得するための手法について検討を行っています.特に,コンクリート中の鉄筋腐食,鋼材の腐食,電気防食の陽極消耗などの主要な変状に着目するとともに,コンクリート部材や鋼部材の健全性モニタリングへの非破壊試験技術の活用について検討を行っています。

3. 維持管理を考慮した構造設計手法の提案

技術基準対象施設については,施設の設計時に維持管理計画書を作成し,それに基づく維持管理行為を供用期間中に,着実に実施することが求められています.この際には,施設の計画・設計・施工の時点から供用後の維持管理の省力化や合理化について配慮しておくことが望ましいとされています.しかし,現在のところ,維持管理を配慮した部材設計手法や,性能の付与,それに基づいた適切な維持管理の方法を体系的に取りまとめたものはありません. そこで本研究では,施設の設計時における適切な維持管理レベルの設定方法,設定された維持管理レベルを供用後に全うするための具体的な手法を提示することを最終目標とし,種々の検討課題を包括的に実施しています.

マルコフ連鎖モデルを用いた劣化予測における推移確率を計算するExcelシート
・日本語版【ダウンロード】(2017/06/15更新)(Excel)
解説】(2017/06/14更新)(PDF)
・英語版【ダウンロード】(2018/12/04更新)(Excel)

C0,Dapおよび腐食発生時期を計算するExcelシート
・日本語版【ダウンロード】(2017/10/31更新) (Excel)
解説】(2023/12/1更新)(PDF)
・英語版【ダウンロード】(2018/12/04更新)(Excel)

※上記Excelシートの利用により生じた問題等について当方は一切責任を負いません。

過去の研究テーマ

1. 杭式構造物の耐震性能評価手法と補強方法の提案

係留施設の老朽化等が顕著に見られるため,桟橋等の長寿命化が求められています.また,発災後も航路機能を維持し,緊急物資輸送や燃油供給を確保するため,港湾施設の強靭化も必要とされています. 本研究では,長寿命化および耐震強化のための桟橋の補強方法を確立するため,桟橋の構成部材である鋼管杭およびRC上部工の補強技術と,その設計法の確立を目指しています.  桟橋構造部材を想定した鋼管杭の,補強効果に関する模型載荷実験,暴露実験による補強材の耐久性評価などを行っています.下の写真は鋼管杭の模型載荷実験の様子です.

1. 杭式構造物の耐震性能評価手法と補強方法の提案

2. 維持管理の高度化・省力化を考慮した桟橋の構造設計手法の提案

技術基準対象施設については,施設の設計時に維持管理計画書を作成し,それに基づく維持管理行為を供用期間中に,着実に実施することが求められています.この際には,施設の計画・設計・施工の時点から供用後の維持管理の省力化や合理化について配慮しておくことが望ましいとされています.しかし,現在のところ,維持管理を配慮した部材設計手法や,性能の付与,それに基づいた適切な維持管理の方法を体系的に取りまとめたものはありません. そこで本研究では,施設の設計時における適切な維持管理レベルの設定方法,設定された維持管理レベルを供用後に全うするための具体的な手法を提示することを最終目標とし,種々の検討課題を包括的に実施しています. その一例として,鉄筋コンクリート部材中の鉄筋のかわりに,CFRP(Carbon fiber reinforced plastic,炭素繊維強化プラスチック)と呼ばれる高耐久な材料を使用することで,どの程度鉄筋コンクリート構造物の高耐久化と維持管理の省力化が可能となるか,さらに構造的な挙動が鉄筋コンクリート部材と相違ないものであるか,検討を行っています.

3.港湾・空港施設等の戦略的維持管理に関連する技術データベースの整備とその有効活用

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