目標と目的

本研究は、2010年チリ・マウレ地震および2011年東日本大震災による津波災害からの教訓を踏まえて、チリ、日本、さらに世界の津波脆弱地域において津波に強い地域・市民をつくるための技術を開発し、社会実装に向けて提言することを目標としています。具体的には次に示す4つの研究グループに分けて研究開発を実施します。

 

 グループ1: 津波被害推定技術の開発

2010年チリ・マウレ地震および2011年東日本大震災による津波災害では、浸水だけでなく、津波により陸上に乗り上げた船舶等による建物の損傷、コンテナや自動車等の漂流や水没、越流した津波による防波堤や防潮堤の破壊など、多様な被害が発生しました。本研究では、津波により起こりうる被害を防ぐための対策の開発や計画策定に向けて不可欠な津波被害を推定する技術を開発します。

津波被害推定技術の開発研究内容

 

 グループ2: 津波被害予測手法および被害軽減対策の提案

約4000kmの長さのあるチリ沿岸では、1960年バルディビア地震に代表されるように津波を伴う地震が数多く発生しています。とくに近い将来では、チリ北部沖において大規模な海溝型地震の発生が危惧されています。本研究では、チリ北部において想定される海溝型地震による津波の影響をチリおよび日本において推定し、推定結果に基づいた津波対策の提案を行います。

津波被害予測手法および被害軽減対策の提案研究内容

 

 グループ3: 高い精度の津波警報手法の開発

2010年チリ・マウレ地震および2011年東日本大震災のいずれにおいても津波警報に係る課題が顕在化しました。その一方で、津波の沖合い観測データが津波警報のアップグレードに役立ちました。本研究では、津波データベースの基づいた津波警報システムに加えて、津波の沖合い観測データ、地震計による地震動データなどと活用して、住民等の避難の促進、避難支援者の安全など有効な高い精度の津波警報手法の開発を行います。

 高い精度の津波警報手法の開発研究内容

 

 グループ4: 津波災害に強い市民および地域づくりのためのプログラムの提案

2010年チリ・マウレ地震の際には1960年チリ・バルディビア地震のときの津波の経験が、2011年東日本大震災の際には事前の防災教育が役立って、多くの人が地震後速やかに避難して助かっています。本研究では、今後津波により人が犠牲にならないようにするために、避難手法、防災教育手法などの研究を行って、津波に強い市民および地域づくりのためのプログラムの提案を行います。

さらに、2011年東日本大震災の災害のすぐ後に、日本では早期に復旧した道路に加えて、港湾を活用して緊急物資や地域の早期復旧のための資材等が輸送されています。一方、チリにおける港湾利用は日本と異なったシステムにより管理・運営されているため、2010年チリ・マウレ地震の際には緊急時の港湾利用は行われませんでした。本研究では、日本の事例を参考にしながら、チリにおける災害などの緊急時における港湾の利用について研究し、提案を行います。

津波災害に強い市民および地域づくりのためのプログラムの提案研究内容

 

プロジェクト概要図(和文)

図: プロジェクトの概要図 (PDF/ 653KB)

 

 

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