「スリランカ国ごみ処分場堆積物崩落に対する研究者派遣」について(報告)

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平成29年5月11日
国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所

 4月14日に発生し、多数の犠牲者を出したスリランカ国コロンボ市ミートタムッラごみ処分場堆積物崩落事案に対し、早期復旧・復興に向けた技術的支援のために国際緊急援助隊(専門家チーム)として当研究所から2名の研究者を派遣しました。
現地で技術的支援を行った結果を報告します。

1. 技術的支援の目的
・ミートタムッラごみ処分場における安全対策や復旧手法のみならず、二次災害を防ぐための技術的な助言を行うこと。
・コロンボおよびその周辺にあるその他の処分場における廃棄物処理の状態を評価すること。

2. 国際緊急援助隊の派遣期間
平成29年4月19日(水)~26日(水)

3. 本事案の概要及び主な助言と評価等
・スリランカ国コロンボ市近郊のミートタムッラごみ処分場でごみ堆積物は崩壊し、死者32名、負傷者11名、被災者 1,782名(4月26日時点)の被害をもたらした。
・国際緊急援助隊の到着前からスリランカ側が行っている応急対策および今後の対策方針は適切と考えられる。
・また、ゴミ山ではなくゴミ山の直下の軟弱層ですべりが発生し、ゴミ山の崩壊につながったとの見解も妥当と考えられる。
・ただし、ゴミ山の残部について、形状改変等の安定化などを急ぐべきではなく、モニタリングの結果を見て、ゴミ山が安定していることを確認してから行うべき。
・ゴミ山の動きに関するモニタリング結果に基づいた警報システムを早期に確立すべき。
・雨期の到来が近いため、雨量強度や累計雨量に基づく警報システムも確立すべき。
・ミートタムッラの代替地(カラディヤーナ)は、高さ制限、ごみ受け入れ重量などの管理が適切に行われている。

4. 現地の状況
別紙の通り

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地盤研究領域 土質研究グループ 森川
地震防災研究領域 耐震構造研究グループ 大矢