深海底は穴だらけ : 大型の深海生物の巣穴構造を世界ではじめて解明

平成24年2月1日
独立行政法人 港湾空港技術研究所

深海底は穴だらけ:大型の深海生物の巣穴構造を世界ではじめて解明
海洋の大半を占める深海生態系の理解に貢献 

独立行政法人港湾空港技術研究所【理事長:高橋重雄】沿岸環境研究領域【領域長:栗山善昭】の清家弘治客員研究員(日本学術振興会特別研究員)と,国立大学法人 横浜国立大学(【学長:鈴木邦雄】のジェンキンズ ロバート日本学術振興会特別研究員,独立行政法人海洋研究開発機構【理事長:加藤康宏】の渡部裕美研究員・野牧秀隆研究員,および国立大学法人 東京大学【総長:濱田純一】の佐藤圭研究生は,深海底に生息する大型生物の巣穴構造を世界で初めて観察することに成功しました.

本研究の成果は2012年2月1日00:01 (GMT) 付けでThe Royal Society(英国王立協会)の生物学専門誌Biology Letters(バイオロジー レターズ)電子版に掲載されました.

論文タイトル Novel use of burrow casting as a research tool in deep-sea ecology
雑誌 バイオロジー レターズ(Biology Letters)
著者 清家弘治(独立行政法人港湾空港技術研究所),
ジェンキンズ ロバート(国立大学法人横浜国立大学),
渡部裕美(独立行政法人海洋研究開発機構),
野牧秀隆(独立行政法人海洋研究開発機構),
佐藤圭(国立大学法人東京大学)

(独)海洋開発研究機構(JAMSTEC)の無人探査機ハイパードルフィンを利用して,相模湾初島沖の水深1173 m地点,および相模湾中央部の水深1455 m地点において,干潟で行われている技術を応用し,世界で初めて深海底での巣穴の型どりをおこないました.

深海底には大型無脊椎動物が形成した巨大かつ複雑な巣穴がみられることが分かり,スエヒロキヌタレガイ(二枚貝)およびその他の無脊椎動物の網目状に発達した巣穴構造を明らかにすることができました.このことは,深海底においても巣穴の存在が海底下の環境や生物に大きな影響を与えていることを示唆しています.

また,大型の巣穴から網の目のように小さな巣穴が伸びている様子も観察できました,これは,深海においても,巣穴を取り巻く生物間の共生関係が存在することを示唆しています.

本研究の成果によって,深海域においても巣穴の内部構造の直接観察が可能であることを示すことができました.さらに,多様な形態・サイズの巣穴が深海にも存在することが初めて明らかとなり,これまで考えられていた以上に深海生態系は複雑であることがわかりました.今後,海洋の大部分を占める深海を含む海洋生態系の理解が大幅に進むことが期待されます. 

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(左写真)深海底で巣穴型を採取している様子.
(右写真)採集された巣穴型.(左)スエヒロキヌタレガイの巣穴.海底面に2つ開口部があり,地中で連結するY字型の巣穴である.(右)形成者不明の巣穴.海底面には小さな開口部があり,地中でボール状の大きな部屋があることがわかる.両者ともに小さな巣穴が付着しており,これは海底下でのベントス間の共生関係を示唆している.
(写真:海洋研究開発機構提供)

  • 巣穴型どりの様子を記録した動画(JAMSTECチャンネル)

 http://www.youtube.com/watch?v=uSvrSpH7STY

  • プレス発表資料

(PDF/363KB)

問い合わせ先


独立行政法人港湾空港技術研究所 沿岸環境研究領域 沿岸土砂管理研究チーム
客員研究員(日本学術振興会特別研究員) 清家 弘治(せいけ こうじ)
Tel: 046-844-5045  Fax: 046-844-1274 Email: seike@ipc.pari.go.jp

報道対応


独立行政法人港湾空港技術研究所 企画管理部
企画課 課長補佐 吉田 稔(よしだ みのる)
Tel: 046-844-5040 Fax: 046-844-5072 Email: yoshida-m83ab@pari.go.jp

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