インドネシア・スマトラ南部の地震による津波被害に関する現地調査報告

平成22年11月11日
独立行政法人 港湾空港技術研究所
国土交通省 国土技術政策総合研究所

インドネシア・スマトラ南部の地震による津波被害に関する現地調査報告

2010年10月25日に発生し、500人以上の死者・行方不明者が発生したとされるインドネシア・スマトラ南部の地震について、独立行政法人港湾空港技術研究所および国土交通省国土技術政策総合研究所は、3名の専門家からなる調査団を派遣し、津波被害に関する現地調査を実施しました。なお、現地調査は、インドネシア政府海洋漁業省および別途派遣された科学技術振興機構-国際協力機構(JST-JICA)チームと合同で実施しました。

調査の概要(速報)

調査の目的

2010年10月25日午後11時42分頃(日本時間)、インドネシアのスマトラ島南部沖で発生したマグニチュード7.7の地震による津波により、スマトラ島西部沖にある ムンタワイ諸島の南パガイ島、北パガイ島およびシポラ島に大きな被害が発生しました。本調査の目的は以下のとおりです。

  • 来襲した津波とそれによる被害実態を把握し、今回の津波の特性および被災原因を明らかにすることにより、今後の津波防災対策に資すること。
  • インドネシアに対する津波防災分野の協力を推進すること。

調査行程

2010年11月3日~2010年11月11日

調査結果

今回の調査では、今後の津波防災対策を行ううえで重要な、特徴的な点が認められました。例えば、

  1. 北パガイ島や南パガイ島には約6mの津波が来襲したことが判明した。ただし、局所的な陸上や海底地形の影響により、 マラコパ、セベグングンおよびマゴイルでは7~8mの津波が来襲した。
  2. 浸水深が1.4mの場所ではレンガ造の家屋は破壊されることはなかったが、3.3m以上の浸水深の場所では家屋は大破していた。
  3. 津波来襲を察知して逃げた人が他の人にも危険性を伝えながら逃げることにより、集落全員が助かるという事例が認められた。地震後数分で津波が 来襲するような近地地震では、瞬時に津波来襲を察知するための技術、その情報伝達について効果的な方法を検討することが重要である。
  4. 2007年に近隣で発生した大規模地震(マグニチュード8.5)の際に避難を行ったものの結果的に津波の被害がなかったことから、今回も津波の来襲はないと 考えて避難が遅れた事例が認められた。
  5. 島嶼部では、災害時に中央政府等とのコミュニケーションがとり難くなり、それにより被災状況の把握が遅れ、救援も遅れる危険性がある。このため、 コミュニケーションツールの拡充が重要である。

現地での調査報告会

11月10日にジャカルタのインドネシア海洋漁業省にて調査報告会を開催しました。
なお、詳細は、別紙のとおりです。

別紙

2010年10月25日インドネシア・スマトラ南部の地震による津波被害に関する緊急現地調査報告(速報)(PDF/1MB)

お問い合わせ先


独立行政法人港湾空港技術研究所

アジア・太平洋沿岸防災研究センター 富田 TEL:046-844-5052
企画課 坂井、黒澤 TEL:046-844-5040

国土交通省国土技術政策総合研究所

沿岸海洋研究部沿岸防災研究室 根木、熊谷 TEL:046-844-5024

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