構造物の沈下挙動を制御する新型基礎に関する基礎的研究

発行年月 2005年6月 港湾空港技術研究所 報告 044-02-06
執筆者 水谷崇亮,菊池喜昭
所属 地盤・構造部 主任研究官
要旨  近年,空港などの土木施設が地盤条件の悪い沿岸部に立地する例が増えている.このような場合,粘性土層の圧密による長期的な地盤沈下・それに伴なう構造物の不同沈下が問題となり,構造物の設計の際にこれらを考慮する必要が生じる.通常,沈下対策として地盤改良を行なったり,杭基礎を利用するなどして構造物の沈下を抑止するが,このような対策工には費用がかかる.また,既存空港の拡張工事では,空域制限により使用できる重機が限られ,十分な深さまで地盤改良が行なえない場合もある.そのため,多少の沈下が生じても構わないような構造物の場合には,沈下を許す設計の採用が考えられる.しかしながら,たとえ沈下が許される構造物であっても,構造物の不同沈下量が大きくなれば供用上問題を生じる.このような問題に対する対策として,沈下は許すがその沈下量をある程度の範囲内でコントロールしたり,構造物の不同沈下を抑制できる新しい基礎形式(沈下制御型基礎と呼ぶ)の開発を目指して基礎的研究を行なった.新型基礎の当面の検討の適用対象としては,面積が大きく上部構造物等による単位面積あたりの上載荷重が小さい構造物,基礎自体の挙動が構造物全体の挙動に比較的大きな影響を与える構造物を想定している.
 本研究では,まず,パイルドラフト基礎及び軽量基礎について模型実験・二次元数値解析により地盤の圧密に伴なう基礎の沈下挙動を調査した.その結果,パイルドラフト及び軽量基礎により基礎の平均沈下・不同沈下を抑制できることを確認した.また,パイルドラフトの杭頭とスラブの結合部の剛性が重要であること,軽量基礎で偏心が大きすぎると施工初期に大きな傾斜を持つ可能性があることなども併せて確認した.次に,これらの特性を組み合わせ沈下制御型基礎の試案を作成した.新しい基礎は周囲に板状の脚を持ち,スラブ部に空洞を設けることで重心を偏心させたものである.この基礎について三次元数値解析でその挙動を調査し,沈下制御型基礎という基礎形式の実現可能性があることを確認した.
全文 vol044-no02-06.pdf(PDF/2.5MB)

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