直円柱に作用する波力の実験ならびに波力算定方式(試案)について

発行年月 1964年8月 港湾空港技術研究所 報告 000-08
執筆者 合田良実
所属 水工部 模型試験課
要旨  近年,海底資源の開発や洋上の灯標建設などの目的で,鋼管やコンクリート管を使った柱状構造物が洋上に建設されることが多く見られる.こうした構造物は,一般に激しい波力を受けるので,波力に対して十分安全なように設計されなければならないが,その基礎となる波力の算定方式は未だ十分に確立されているとは言い難い.波力の算定にあたっては,波による水粒子の運動速度や円柱,角柱などの抗力・質量係数の値を正確に知る必要がある.このため,当所においては数年前より長さ105mの大型造波水路使用して,直径7.62及び13.98cmの直円柱に作用する波力の実験を行ってきた.この実験においては,数台の小型プロペラ流速計を鉛直に並べて,水粒子速度の同時測定を行い,これによって得られた実際の水粒子速度の鉛直分布と直円柱に作用する波力との比較から波浪中の円柱の抗力係数を決定した.この結果,レイノルズ数が1×10*4から2.1×10*5の範囲では,波浪中の円柱の抗力係数も定常流における値とほぼ等しい値を取ることが判明した.質量係数については,微小振幅波としての粒子加速度を用いた値として平均1.71を得たが,構造物の設計ではポテンシャル理論による2.0の値の採用が望ましいと考えられる.
 一方波力と同時に得られた波形記録から,波峯の上昇高が求められ,水深波長比が0.05~0.5までの中間領域については,波峯の上昇高が波高水深比でほぼ一義的に与えられたことが示された.また,設計外力として必要な最大波高の資料として,勾配1/100の斜面上における砕波高についても実験が行われ,種々理論値などと比較検討することによって,限界波高が水深波長比の関数として求められた.
 これらの実験データや他の研究成果などに基づいて,直円柱に作用する波力の算定方式の一試案が作成された.この試案は,ゆるやかな勾配の海底面から直立した円柱に,砕波限界以下の波高の波が作用した時に生ずる最大波力及びそのモーメントを求めるためのものである.この方式によって算定された波力の最大値は,当所及び他機関で得られた実験値とほぼ一致した.なお,一様断面の直柱については数種の設計図表が示されている.
全文 vol000-no08.pdf(PDF/4.6MB)

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