理事長からのメッセージ

世界に貢献する技術をめざして

高橋理事長

港湾空港技術研究所は、その前身である運輸省港湾技術研究所として1962年に横須賀市に設立されて以来、港湾や空港を中心とした沿岸や海洋の防災・環境・利用に関する研究を進めて参りました。2001年には、政府の行政改革に伴い独立行政法人港湾空港技術研究所に改組されましたが、「研究レベルが世界最高水準であること」と「研究成果が現実の現場に役立つこと」の二兎を追い、以来10年間に亘って研究活動を進めて参りました。

これまでの10年間で、臨海部の液状化対策、港湾空港施設の戦略的維持管理手法、干潟等の沿岸域環境の統合管理、地球環境問題に対処するための海洋による二酸化炭素吸収(いわゆるブルーカーボン)の研究などに取り組んでいます。さらに地震・津波・高潮・高波などの沿岸域の防災に関して総合的に研究し、国際連携を強化するために、アジア・太平洋沿岸防災研究センターを組織しました。波浪や流れなどの現地海象を再現できる「総合沿岸防災実験施設」や、地震と津波の複合的な沿岸災害を再現する「大規模地震津波実験施設」も完成させています。アメリカの14大学が参加する共同研究ネットワーク(NEES)との間で研究施設の共同利用に関する協定を締結するなど、国内外の18研究機関との研究連携も進めています。

去る3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震は、北海道から関東地方までの非常に広範囲にわたり未曾有の地震・津波災害をもたらしました。お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈り申し上げ、被災された皆様にお衷心よりお見舞い申し上げるとともに、被災地域が一日も早く復旧・復興することを心から願っております。私たちは、被災直後から今日に至るまで、国の要請を受けて現地被災調査に奔走し、被災状況や被災メカニズムについて成果をとりまとめるとともに被災した沿岸域の再建に向けた種々の調査・研究も全力で推進してきました。今回の地震・津波災害を契機に、沿岸防災に対する考え方の抜本的な見直しも求められていることから、今後は将来の沿岸防災のあり方を踏まえた長期的な研究にも研究所をあげて取り組んで参りたいと考えています。

2011年度より、第3期中期計画(2011~2015年度)期間に入りました。2012年は運輸省港湾技術研究所が設立されて50年になります。「世界に貢献する技術の発展」を目指して、これまでの研究をさらに推進していきたいと考えております。引き続き皆様のご支援ご鞭撻をよろしくお願い致します。

ページの先頭へ戻る