3B 港湾・空港施設等の戦略的維持管理に関する研究

研究の目的・背景

  • 既設港湾・海岸・空港の構造物の供用中の機能・性能を要求レベル以上に維持し、その有効活用を図るためには、構造物の点検・診断、評価、将来予測、対策に関る技術を高度化し、これらによる戦略的な維持管理方法を構築することが緊急かつ不可欠な課題である。
  • そこで、本研究テーマでは、設計段階での性能照査技術の開発・改良に関する研究、維持管理段階における保有性能に不可欠な点検・診断手法の高度化に関する研究、並びに保有性能評価や対策の選定・実施に必要な構造物・舗装の挙動及び性能低下予測に関する研究を行い、点検・診断、性能評価、将来予測、対策に係る技術を高度化する。

研究の概要

次の3つのサブテーマを設け研究開発を行う。

  1. 材料の劣化および性能低下予測に関する研究
    海洋環境下における各種建設材料の長期耐久性、海底土中部の電気防食の設計手法の高度化・維持管理手法、海洋鋼構造物の被覆防食の劣化特性、空港アスファルト舗装の塑性変形を対象とした変形抵抗性の評価手法について検討する。

  2. 構造物の性能照査技術の開発および改良に関する研究
    耐久性及び偶発荷重に対する照査での部分係数の設定、海洋RC構造物における鉄筋腐食照査手法の精度向上、港湾構造物及びその構成部材のライフサイクルを通じた性能低下モデルの構築、構造物の設計段階での維持管理に配慮した設計手法の開発、既存構造物の補強等を行う際の構造物の性能評価手法と補強設計手法の開発、並びに空港舗装構造に求められる各性能の低下傾向についてのシミュレーションを行う。

  3. 構造物のライフサイクルマネジメントのための点検診断手法に関する研究
    非破壊試験技術を導入した点検診断及びモニタリングによるデータ取得技術、コンクリート部材や鋼部材並びに構造物単位でのヘルスモニタリングシステム、鋼構造物の非接触肉厚測定装置の運用システム、各種新 規計測システムについて検討する。

2015年度の活動

  • コンクリート、鋼材及び各種材料の長期耐久性を実環境下における暴露試験により評価した。また、土木研究所と「海洋暴露試験30年の研究成果」合同報告会を開催し、波崎海洋研究施設での30年にわたる暴露試験結果を発表した。
  • 実構造物(羽田空港D滑走路部の鋼管杭、横浜港南本牧地区鋼板セル岸壁等)を用い、主に海底土中部における電気防食特性のモニタリングを継続実施した。また、海中部及び海底土中部の電気防食設計に関してこれまでの知見を整理するとともに、土中鋼構造物の腐食特性の把握を行った。
  • 港湾構造物のライフサイクルシミュレーションモデルの開発に関して、既存港湾構造物の改良設計時の構造性能照査手法及び構造物の物理的耐用年数を考慮したライフサイクルシナリオについて検討を行った。
  • 空港アスファルト舗装の剝離抵抗性の向上および評価手法の開発に関して、現行の評価法の課題を基に剥離抵抗性評価のための新たな評価項目、試験方法、試験条件等を検討するとともに、剥離抵抗性に劣る材料について、種々の剥離防止対策の剥離抵抗性向上効果の検討を行った。
  • 埋設型センサによるRC部材の鉄筋腐食モニタリング手法の検討及びペトロラタム被覆防食の防食効果確認センサの開発を継続し、港湾構造物の性能評価のためのヘルスモニタリング手法の構築に取り組んだ。
  • 上部工点検装置について、障害物回避を支援する操作支援機能と地図情報との照合による測位支援機能の基本アルゴリズムを開発した。また、点検装置や肉厚測定装置の搭載を想定したROV型プラットフォームを新規に製作した。非接触肉厚計測については、現地調査により実際の生物付着とFRP保護カバー状況下で測定可能であることを確認した。
波崎観測桟橋での各種被覆防食の耐久性の評価 海底土中部における防食電流密度分布の実測値及び解析値

 

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